2010/01/25

土の鈴

土の鈴


郷土玩具の中の一つの世界として『土鈴』というものの立場は
極めて異例な所に置かれているように思います
土人形の中に入れても 各地の寺社の授与品の中に入れても
特異な存在で 『土鈴』その物で一つの大きなジャンルになってしまうほどです
土人形は 型を合わせて作るので その中が当然空洞になります
小さな土玉を入れて底を貼り 鈴口を作り 音を響かせれば
どんな形や大きさでも 何でもかんでも土鈴になってしまいます
明治から戦前にかけて 大きな土鈴ブームがあり 戦後も一時流行りました
その当時の土鈴は 趣味家らの熱心な制作 研究 などで
現在では考えられないほどの 
緻密で精微・優雅で とんでもない土鈴がたくさん作られたようです
無論そんな古い土鈴は手元にはありませんし
土鈴についても 詳しいことは あまり分りませんが
手にとった小さな土鈴から ぬくもりのある音色や
軽やかな鈴音に 心を癒されます
そんな土鈴を少し 並べて楽しんでみたいと思います
三大土鈴や東西の横綱は有名ですが
元祖 家元は 勝手に作りましたので
信じる信じないは 御随意にお願いします(笑)
本家も考えなくちゃいけませんね
蛇足ですが 土鈴の四天王の方々も勝手に 決めてしまいました(笑)

日本三大土鈴

 

 山梨県 御岳金桜神社 虫きり鈴

 御岳金桜神社にて 古くより授与されている土鈴で
虫きりのまじないとされ 虫きり鈴ともいわれるものです
金色2センチほどの埴型の素焼きの鈴を五個紐で結んであるもので
子供の寝ている部屋に吊るしたり 腰に吊るしたりして
鈴が割れると 疳の虫が治る(切れる)と云われ喜ばれたそうです


 

富山県 蛇の目鈴 

 江戸時代より作られ 蛇を土鈴にしたりすれば普通であれば
少々不気味なものになりがちだと思いますが
こちらのものは蛇の頭だけをモチーフに目を強調して
蛇の目(一つ目 二つ目 三つ目など)のユーモラスな模様と
彩色の美しさ 素朴な音色に魅せられる土鈴です
子供の虫きり 麻疹除けのまじない鈴として知られています

銀色の土鈴は 蛇の目鈴と同形の古い鈴で
全体が銀色で彩色されており乾いた良い音がします
↑一ッ目
三ッ目↓
↑二ッ目
蛇の目鈴と同形の古い鈴↓



 

福岡県 英彦山のガラガラ  

 素焼きに青と朱で彩色しただけの素朴な土鈴です
振ると ガラガラ鳴るのでその名前となっているようです
文武天皇の慶雲二年(705)日照りで飢饉になったときに
天皇が英彦山に使いを出して祈願され 
霊験があったので そのお礼に鈴を奉納されました
それを 複製し参詣者に分け与えたのが始まりとも云われ
門口に吊るしたり 田中に埋めたりして
厄除け招福 虫除けなどに信じられています
 
ガラガラ ガラガラ 大鈴  金鈴
 
 三面土鈴 天狗鈴 祝鯛土鈴 
 
鳥居
印籠型土鈴二種 彼岸花


土鈴の横綱

 

東 岐阜県 蚕鈴

 岐阜市 美江寺の蚕祭(旧正月晦日)に 境内で売られていた縁起物で
古くから養蚕の盛んなこの地方で 信仰を集めており.
この土鈴を買い求めて 蚕室に吊るしておくと
害敵の鼠を除き 蚕がよく起き上がると信じられました
増殖多産を招くとも云われ盛時には 
寺の沿道にズラリと土鈴の店が並んで
「上機嫌 上機嫌」と呼び合い売り競ったといわれます
この土鈴は 艶やかな原色で彩色し ふんだんに金粉をまぶし
いかにも田舎風の 豪奢さを発散し 繊細さは無いものの
その素朴な味わいには 棄てがたい物があります(起土人形)
 釜鈴 宝珠鈴
   
 俵鈴  巾着鈴
福鈴
 木魚鈴(苞鈴) 


   

西 三重県 楼車鈴 

 三重県伊賀市の上野天満宮大祭(10月25日)に出る
楼車の桜車を象ったもので 
全国各地の土鈴の中でも 特異なものとしてあげられています
慶長年間(1596〜1615)以来の
伝統ある華麗な桜車を土鈴に仕立て上げたものです(宮崎屋陶房製)

土鈴の元祖

 

 京都 埴鈴(伏見人形)

 伏見人形の一つとして古くから見られるもので
江戸時代初期より 文献などにも表され
土産玩具としての土鈴では これが一番最初とされています
土鈴の古い形式を残しているものです
古くは これを鈴成りと見立て 
果樹の枝に吊るして果実の豊穣を祈願したり
井戸に吊るし虫除けのまじないにしたりしました


土鈴の家元

   

愛知 洲崎神社の五色鈴

 五色鈴は 神社の境内にある銀杏の神木の実(銀杏)を形どった物で
銀杏の形をした素焼きの土鈴を
朱 黄 青 緑 白に彩り紙縒りを通して一連にし
護符を結んで 厄除け 無病長寿の神鈴として授与されています
鈴守りが祈祷の霊験により 神仏の加護を受けるという信仰は
江戸の初期 寛永年間に発祥し 熱病の子供の枕元に置けば
病苦から免れるという この洲崎神社の五色鈴に始まりました
各地の寺社で授与される土鈴の中でも 特に由緒があり
素朴で小さな物ではありますが 
味わい深い土鈴です
 
   
 名古屋野田製 四日市藤井陶楽製 

土鈴の本家



土鈴の四天王

順不同で
『土の鈴』著者 Iさん
日本土鈴館 T館長
神戸土鈴友の会
九州のAGOKUN
















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