2006/06/25

からくり玩具

東海地方はからくり玩具の宝庫と言われている
高山祭りに代表される山車からくりの技術が
多いに関係しているという事は間違いの無い所だと思われる
名古屋・半田・犬山・津島など山車からくりの多くの技術が
子供達へのおもちゃとしても残されてきたのがすばらしい
その他 旅行をした時に見つけた地方の物も
その土地土地の特性が見られて実に楽しいものです
わずかばかりの収集品の中から代表的な物を紹介します

牛若   弁慶
牛若・弁慶(名古屋 )

山車人形の動きを実に巧妙に模した物で、牛若の足下の竹弓を動かすと
弓弦が軸を回転させて、牛若が素早く旋回する仕組みになっている
弁慶の方は、はかまの下の紐を結わえた横木を左右交互に動かすと
糸管仕掛けで千変万化に長刀を振りまわす身振りをする仕掛けになっている
この弁慶の動きだけは 予測が出来ない素晴らしい仕掛けだと思います


兎の餅つき(名古屋)

これも人形の下の横木を上下に動かして 
うさぎに、杵をつかせる動作を見事に表現している
正月などのお目出度い時にぴったりの衣装である
兎年の時しか売らなかったのだろうか
一寸考えてしまいました

弾き猿(高山・多度)

災いを弾き去るという 言ってみれば駄洒落
竹のばねを利用して 竹の棒にくくりつけた紅布製の
くくり猿を上下に昇降させる単純なおもちゃ
縁起ものとして各地の神社仏閣の祭礼などで
授与される
こういふ シンプルな物ほど印象に残るのは
なぜだろう?昔の人の心根を感じそう・・・

俵ころがし 今宮の蔵入り(大阪)
米蔵に青竹を割った樋がついていて
重りの入った張子の俵を乗せて
上下にかるく動かすと コロッコロッヒョイッと
転がって蔵のなかへ入っていく縁起物
この俵の動きがナンとも微妙な・・・
実に楽しい 幸せ気分にしてくれる逸品です
流石は えべっさん!!かな
HPのバナーに使っているのはこれ!!
縁起が良いかも・・・?

飛んだり跳ねたり(江戸 浅草)
六センチほどの割り竹の台の上に
小さな張子の人形を据えて
台の下に竹ばねを仕掛けて ばねの動きで飛ばして遊ぶもの
江戸っ子の小粋な雰囲気のする可愛くも
単純な からくりである

廻り鼠(名古屋)
手元の横木を動かすと 糸で連結されている鼠が
各自に廻る仕掛けになっている
ピンクと白の三匹の鼠の動きが なんとも愛らしい

でんでん太鼓(犬山)
最下部に取りつけてある竹笛を吹くと
風車が回転して 風車の心棒に取りつけられた
紙人形も回転する
紙人形の肩に取り付けられた糸の先の豆が
横の太鼓を叩くからくり玩具
このからくりは一体誰が考えたのか驚嘆に値する
先人の知恵に脱帽であります

米食い鼠&餅つき兎(金沢)
胴体と口とを結ぶ竹ばねを押さえると
鼠の首と尾が下がり 米を食べる動作をする
竹のしなりと糸の張り 緩みを利用した
真に愛らしい一品です
糸を引くと兎が 杵を持ち上げ緩めると臼に搗く
単純な物であるが このパターンが
糸からくりの 原型であり基本です

藍搗きお蔵(徳島)
白地に黒で瓦屋根を描いた 車付きの藍蔵から
長い杵が三本突き出ていて
紐を引いて車を引っ張ると杵が交互に上下する
水車などを利用した米搗きの装置を玩具かした
米搗き車と同巧のものだが これは徳島名産の
藍搗きを模した点に特徴がある

杣人 杣人(富山県利賀村)
間伐材を利用しての 山の仕事を伝える
木工細工

利賀で 郷土玩具の博物館を開かれている
中谷信一氏の木工玩具です

『つばくらめ』『おくわさん』
30年ほど前に
東海郷土玩具友の会より
復刻品として分けていただいたものです
今となっては 何処の物だったのか 記憶が定かで判りません
名前は 『つばくらめ』『おくわさん』と聞いた記憶があります
名古屋地方か 尾張地方で かつてあった物だと思います
この玩具の遊び方は 
金沢の米喰い鼠・ウサギの餅つきとほぼ同様のものです
古くから各地にあったのかも知れません



保管方法が悪いので 壊れてしまったりして紹介したいけど
出来ないものも在ります
何らかの方法で 形があるうちにデータとして残す様にしたいと考えています
形在るものはいつかはその姿を消していくのでしょうけど
存在したと言う事!その事実は残しておきたいですね
この紹介に関しては 郷土玩具辞典(斎藤良輔編)
              東海の郷土玩具(亀井鑛著)を 参考にしました




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