2006/08/16

まねき



最近ブームになっている.まねき猫
不景気が長く続いたせいか藁にもすがりたい庶民としては
何でもいいから 縁起を担いで幸せを呼び込みたいのでしょうね
愛らしい姿の 色々なまねき猫が出回っています
ここで紹介するのは 昔からの郷土玩具としてのまねき猫
今風の繊細さには欠けるかもしれませんが
素朴な味わいと 庶民のささやかな願いを猫たちに見ることが出来ます


由来

薄雲という娼婦が猫を弄んだのに端を発しているといわれる
.薄雲は天禄期の江戸吉原の名妓で
三毛の子猫を愛していた所 その猫が死を持って難を救ってくれた
それに感銘して猫塚を建立したのが まねき猫の始まりとも言われる
実際には金猫銀猫という売色店があり 猫が手で(前足)で顔を洗えば
客が来るという俗信から 金銀色に彩色したまねき猫を店頭に飾ったのが起こりらしい
世田谷 豪徳寺 住職の愛猫が招き入れたことから
井伊家の菩提寺になったという説もある


高崎・豊岡の招き猫(張子)

農家では繭を齧る鼠除けのまじない
商家・銀行等は金運招福
花柳界・飲食店.では招客万来・商売繁盛の縁起物として
求められています
25年以上前の物なので 彩色がおちてきましたが
味が出てきたと思えます 
枯れてきたのかもしれません(笑)
長く手を伸ばしているのは 遠くの人を招いて
短く招いているのは ご近所の方(笑)


堺土人形・
初辰猫(土)

紋付羽織を着た招き猫 裃姿のものもある

大阪では「はつたつさん」と呼ばれ古くから親しまれている
伏見製のものに比べいい味出てます
素朴な味わいがあります

伏見製

商売繁盛の縁起物で 住吉大社の末社楠玉神社へ
毎月初めの辰の日に参詣して これを求めて神棚に飾り
四年間に四八体揃うと
「始終発達」となって大願成就となる
近くに住んでいたら 毎日でも行くのですが
無理な話で 残念です
流し込みのものですが 
これが40体も並んだら
壮観でしよう想像するだけで楽しくなってきます
招き猫の左を上げているものは客を
右を上げているものは金を招くといわれている
この風習は江戸末期花柳界から起こったらしい

名古屋土人形

袴猫

日頃チャランポランな生活をしているものだから
たまには正座して襟を正す事も必要でしょう(笑)
猫も人間も同じですね
名古屋土人形

猫抱きお福

フィギアが出来るくらい 
その道の人には知られたお人形です
お福さんがまねき猫を抱いているのだから
こんなに縁起の良い事はありません
私も抱いていただきたいくらいです(爆)
名古屋土人形

猫抱きお福フィギア

すごいことに フィギアにも 
名古屋土人形・野田末吉さんの
「其水」のマークが付いています
乙川土人形

愛知の土人形の祖の一つとも云われる乙川は
伊勢湾台風(昭和34年)により大きな被害を受け
廃絶したかのように思われていましたが
制作方法を流し込みへと変え
現在も連綿と続けられています
古型もごく僅かですが残り
手押しのものも少しずつですが作られています
小判をだいた招き猫は乙川が発祥の地で
常滑 瀬戸などの陶器の招き猫の
基になったといわれています
この猫は 流し込みのものです
三河大浜土人形

昔ながらの伝統的な制作方法を引き継ぎ
僅かずつですが土人形の製作が続けられています
鯛の前掛けをした猫は いささか得意げで
周りからの目が恐い?(笑)
現在では 大猫も鯛をつけているものを見受けられます
愛知三河・旭土人形

様々な大きさのものが在るが
キリリとした顔立ちと 簡素な絵付けが特徴的である
小判を抱かせたりしていないのは
初代からの伝統であるそうな
シンプル イズ ベストと言う事であろうか
首の梅紋は旭・高山八郎氏の特徴である
最近は何にでも招き猫をくっつけています
困ったものです

福助お福に乗っかった 招き猫
 
     両面招き猫
二尺連れ猫と子猫 二尺猫
金沢張子

中島めんやの張子の猫
新しいものだが 表情が愛らしい黄色と白の一対で
招きも左右別々です
今風の表情ですね
五箇山張子

女性的な表情のまねき猫です
眉毛が描いてあるせいでしょうか
おきゃんな感じさえしますね
こんな感じの女の子が近くにいるような気がします(笑)
招き猫土鈴 (我が家での通称・爆笑問題)

鎌倉の蝉丸さん作 
(豊川稲荷の参道のお店で見つけました)
表情の豊かさに大笑いしてしまいました
太田君と田中君によく似ています

伏見人形

まねき猫ではありませんが
代表的なものなので 載せてみました
小幡土人形

だいぶ 鼠になめられているやつです
おおらかなのか 無頓着なのか
こういう世界になれば争いは無いのですが・・・
滋賀・小幡土人形

ドラえもんも
いってみれば招き猫の仲間かもしれません(笑)
郡上白鳥のケーキ屋さんのプリンのカップ
何にでも使えます
むろん 郷土玩具ではありませんが
マグカップにも使えるし
飾りとしても邪魔になりませんね〜〜
  米百俵を抱えて 郵政民営化を訴える 小泉招き猫
来る福招き猫まつりin瀬戸 で手に入れた
由緒正しい瀬戸物のまねき猫です
瀬戸市招き猫ミュージアムにも 展示されています。
小泉劇場 大盛会につき
お顔も些かほころんでいるようです
今後、歴史が 小泉首相を如何評価するのか
楽しみな招き猫です (ホンマかいな) 
金運がアップすると 風水で云われる黄色の猫
人と金運を招くために 両手を高く上げています。
来る福招き猫まつりin瀬戸 で手に入れた
瀬戸物のまねき猫です
欲を出しすぎるとろくな事は無いのですが
煩悩の塊の庶民のささやかな願いなので
お許しくださいませ(笑) 
 
  ドル巾着を抱え チャンスの神様を捕まえる為に
手を後ろ向きに招いているという 一寸変った
青い目の招き猫です
チャンスに後ろ髪はありませんが
後からでも掴めたらという 切ない思いが現されています
来る福招き猫まつりin瀬戸 で手に入れた
瀬戸物のまねき猫です 
高さ 約15センチ
 
滋賀県 東近江市 細居源吾作
 
今にも折れそうなひょろりと伸びた手が 
とてもユニークで楽しい招き猫です
 


招き猫の愛好家も多く 
9月29日に 『来る福招き猫まつり』と言う名前で
伊勢 瀬戸 島原の各地で その前後一週間位
色々な催しを開催しています
興味のある方は お出かけ下さい


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