大津絵と大津絵土鈴

戻る


高橋松山 作
大津絵は徳川初期(寛永頃) 
大津より京へ通じる東海道 大谷 追分辺りに
名も無い画工が軒を並べ
街道を行き来する旅人相手に
信仰の対象として
仏画を描き売ったのが始まりとされる
時代の変遷と共に 世俗絵に変り
風刺 人物風俗 
和歌などを添えた道訓的な図等に変遷しました
街道の名物として多くの画工により
多様な図柄を生み
教訓かつユーモラスで
健康美のある筆致で親しまれている
現在では
大津絵をモチーフにして色々なみやげ物が 創作され親しまれている



槍持奴
道中平安 交通安全の符
大名の参勤交代の 
その威圧的な行列の先頭の奴
庶民の目には 羨望と映っているのか
虎の衣を借りた狐に映っているのか


長寿翁
無病長寿 百事意の如くなる符
長寿神の長頭(げほう頭)に
大黒天がはしごをかけて 頭を剃る光景図


雷公
雷避けの符
肝心の太鼓をうっかり落とし
錨で吊り上げようとする雷公の粗忽さを描いた図


瓢箪鯰
諸事円満に解決し 水魚の交わりを得る
水難避けの符
丸い瓢箪でぬらりくらりした鯰を押さえるのは
猿知恵に等しい 人の心のつかみ難きを表している


矢の根五郎
目的貫徹 願い事叶うの符
武勇に長けた為朝を描いたもの


弁慶
身体強健にして大金持ち 火難盗難除けの符
七つ道具を背に立ち往生の態
三井寺と比叡山(僧兵合戦)の争いで
寺の鐘を分捕って帰るという 大津には縁深い人物


鷹匠
利益を収め 失せ物手に入る符
美少年 若衆は 
浮世絵や歌舞伎にもてはやされた人気者で
若く伊達なものへの欲求の象徴


藤娘
愛嬌が加わり良縁を得る
藤をかざす素朴な美人図で 
鬼の念仏と共に代表的な図である


鬼の念仏
小児の夜泣き止め 病魔一切の凶事払い
殊勝げな偽善者(偽政者)の邪心を鬼に見立て
面白く揶揄した
因みに片方の角が折れているのは
邪心で念仏を唱え極楽往生を願う執念に
自責の念を現したものといわれる


座頭
倒れぬ符
平家物語を節付けして語り歩いた琵琶法師も
犬に吠えつかれるという
江戸時代にも儘見られた情景
めくら政治を揶揄したとも言われる