2006/06/23

藤井陶楽の土鈴




二十歳の頃からのお気に入りの 熱田神宮の巻藁舟土鈴
神社の授与品ということもあり 
誰が作っているかなどということを 心に留める事もなくすごしてきました
神鈴や犬鈴と共に音色の好さと 妙な絵付けをしていない その土の風合いに魅かれて
いつも身近な所に何となく置いて たまにチリンと鳴らすという 風流を一人楽しんできました
藤井陶楽という名前を知ったのは ずいぶん後のことで
初代のあと 二代目も亡くなられてからでした
その後チョクチョク熱田神宮へ行っても 土鈴を見つける事ができず
なくなっちゃったんだろうなあと思っていたところ
ひょんなことから 二代目の奥様がまだ製作を続けて見えるということを聞いて
思い切って お邪魔してきました
四日市の大入道の土鈴など  写真でしか見たことのなかった土鈴が 
今も造り続けられているのを見て安心しました


陶楽さん3代目(2代目の奥様)の御宅に
無理やりお邪魔してきました
いやぁ 困ります 忙しいので!とおっしゃられつつ
三時間も長居をしてしまい
迷惑をかけてしまいました(笑)
どうも申し訳ありません
最近熱田神宮へ行っても 土鈴を見かけなくなり
廃業なさったのかと心配していたのですが
お話を伺っていたら 熱田の巻藁鈴など
今もチャンと製作されているようで安心しましたが
干支鈴に関しては 今は、作っていないとの事でした


初宮鈴・神鈴
巻藁鈴・厄除の三つ鈴
 

工房から離れた庭の片隅の小屋に
初代陶楽作の土鈴が 山ほど置いてあるという事で
わざわざ開けて見せていただいて 仰天度肝を抜かれました
いかに初代陶楽の技量がすごいものだったのか
小屋も荒れ 中に置かれてある 土鈴などの保管が
なかなか大変だとはおっしゃられていたのですが
この大切な文化遺産ともいえる土鈴たちを
分散 散逸する事無く 何らかの形で
保存 展示してもらえないかとお願いしてきました

初代陶楽がきちんとしたものを残してくれたので
私でも何とか出来ているとのことですが
後をされることについても
娘さんも時々お手伝いをされているとの事
土鈴作りについては 奥様より
二代目や初代の仕事振りを
よく見ていたのでというお話だったので
お孫さんを含め 期待していいかと思います

作っている土鈴を手直ししていたら
小さなお孫さんに
「そんな土鈴を買う人が可哀想・・・」
負うた子に教えられた気持ちで
ハッとしたとのことです
神社で授けてもらう人々の
気持ちを考えて作らないといけないと反省させられ
一つ一つ心を込めて作っていますとのお話で
孫に教えてもらいましたと笑っておられました
笑顔の素敵な 奥様でした
思い切っておじゃまして良かったです
嬉しい一日になりました




  四日市 諏訪神社の祭礼に登場する山車人形の
「大入道」を土鈴にしたものと
同じく鯨舟と鯨を土鈴にしたものです



この洲崎神社の五色鈴
色付けを洲崎神社でされているそうですが 陶楽製です

お鈴守りが祈祷の霊験によって初めて
神仏の霊功が土鈴に宿り
その鈴を拝領することによって
神仏の加護を得るという信仰は
寛永年間に発祥した
熱病の子供の枕元に置けば病苦が除かれるという
この 洲崎神社の五色鈴に始まります

     名古屋七尾天神
       亀乗り土鈴(三種)


熱田神宮
授与鈴の各種


巻藁鈴・神鈴・ 初宮鈴・


厄除け三つ鈴




現在、熱田神宮では 神鈴・ 初宮鈴・巻藁鈴・厄除の三つ鈴が常時授与されています
ただし 常には、厄除の三つ鈴しか見本に出していないので
授与所へ 声をかけて下さいとのことです
巻藁鈴は守護矢に取り付けて授与されている物もあります
他に舞楽鈴(四種)もあるそうですが 陶楽製ではないようです(調査中)
干支土鈴(辰2種・牛)
宝物館内に 土鈴コーナがあり 過去の授与鈴などが 展示されています

上知我麻神社(かみちがまじんじゃ)
初恵比寿大熊手の大神鈴

 熱田神宮神宮境内南端に鎮座する
上知我麻神社(かみちかまじんじゃ)の境内に、
大黒様・恵比須様を祀る大国主社(おおくにぬししゃ)・
事代主社(ことしろぬししゃ)のお祭りで、
「五日えびす」とも云われ、午前零時から行われます。
 このお祭りでご神前に供えられた初えびす
(商売繁盛・家内安全)のお札を授かろうと、
多数の参拝者が我先にこれを受けようとひしめきあう様は、
まさに壮観です。
 当日は、このお札をいただいて帰る途中で
人と話したり寄り道すると福が逃げるというので、
知人に会っても口をきかず、
一目散に帰宅して神棚におまつりする風習があります。

けが人が絶えないという事で 現在は
事前(12月)に神社のほうへ 申し込めば
 祭礼直後に 受け取ることも出来ます




尾張一宮授与品
おん馬(廃) 神鈴 犬張子

一宮市の 尾張一宮 真清田神社(ますみだ)神社 授与鈴

おん馬は
4月3日の桃花祭に勢ぞろいする飾り馬を模したもので
白馬の鞍に 御幣を立てて 
おみこしと一緒に神社からお旅所まで練り歩く
起土人形の作であるが現在は授与されていない

い寿ゞは 四日市の藤井陶楽製
こちらは大型の物と
小形のい寿ゞと飾り馬の土鈴のセット
素焼きの彩色のされていないものであるが
高音のの澄んだ音色のする土鈴が
現在も授与されている


い寿ゞ(大)


おん馬


い寿ゞ(小)



犬山
三光稲荷神社

巻藁舟土鈴
熱田のものとは
趣が違って
真柱に一年の月数
十二個の提灯をつけ
半円形に一年の日数
三百六十五個の提灯を
つけた 巻藁舟に
近い形に作られていて
面白いです
初代陶楽
茶筅土鈴

茶筅の形のした蓋置と
茶筅土鈴と言う
二つの趣向を凝らして
作られたものです
中尊寺
牛若弁慶土鈴
金色堂土鈴
(絵付け前のもの)




唐人踊り土鈴 径5.8p

津の唐人踊り:津まつりは、津八幡宮の祭礼として
寛永年間(
16241644)に始められたといわれています。
第2代藩主の藤堂高次が奨励、保護したことから
山車や華やかな衣装を着けた行列をだし盛大に行われるようになりました。
唐人踊りは、祭礼における分部町(現在、東丸の内)の出し物で、
江戸時代に朝鮮から幕府へ派遣された外交使節(朝鮮通信使)の
風俗を模したものと伝えられています。

昭和
20年の戦災で山車、練り物 衣装、楽器、小道具などが被害を受けたため
戦後しばらく途絶えていましたが、
昭和
31年に分部町のみなさんによって保存会が組織され復活しました。
昭和
33年には市の無形文化財に指定、
平成3年には戦災を逃れた大幟(おおはた)一流れとともに
県無形民族文化財に指定されています




陶楽11種

伊賀上野 組土鈴

初代陶楽が 戦前の型を用いて復刻したもので
伊賀上野の代表的な
旧跡鍵屋の辻
松尾芭蕉翁にまつわる史跡と
高旗山のスケートを土鈴に仕立てたものである


俳聖芭蕉土鈴


上野天神鬼土鈴


上野天神鬼土鈴


芭蕉翁故郷塚土鈴


芭蕉翁遺跡土鈴


芭蕉翁遺愛土鈴


鍵屋の辻 十文字鍔土鈴


鍵屋の辻 鍔土鈴


鍵屋の辻 鞍土鈴


鍵屋の辻 鐙土鈴


高旗山 スケート靴土鈴





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