2009/03/21

とやまの 土人形

土雛窯  伝承会  コレクション

富山の土人形は 現在二ヶ所の工房で製作されています
富山市肝いりの伝承会と 土雛窯です





富山土人形

 由来。。。。。。。。

 嘉永年間(1848〜54)と山十代藩主 前田利保が
 名古屋の陶工 加藤家の陶器職人であった広瀬秀信を富山に呼び
 千歳御殿に窯を築いて千歳焼を作り ついで その子安次郎が
 陶器の傍らに天神臥牛を焼いて献上したのが
 富山土人形の始まりであります
 江戸末期以後 発展して民間信仰 縁起物 あるいは子供の玩具として
 数多く作られてきました 代表的なものとしては
 学問の神様である「天神様」 桃の節句に飾られる「抱き雛」があります
 当時 城下に土人形家は数軒ありましたが
 広瀬家より技法を学んだ渡辺家「平 源吾 信秀」だけが家業として
 伝統を守り続けてこられました
 しかしながら 渡辺家の三代目渡辺信秀氏の後継者がいない為
 富山市 では 一般市民から人形作りの受講生を
 募り受講を重ね「富山土人形伝承会」を 結成して
 この伝統技法を後世に伝える為励んでおります
 とやま土人形は富山の産業 伝統 風俗を取り入れ
 一つひとつ真心を込めた手作りの伝統工芸品です
 この素朴で心暖まる土人形の魅力を
 一人でも多くの方々に知っていただき

 富山の伝統文化を伝承していきたいと
 会員一同よりよい作品作りに励んでいきます

                                とやま土人形伝承会
                                とやま土人形工房

                              *** 土人形の栞より ***

土雛窯

『土雛窯』 
立山連峰が目の前に広がる そんな所で
かつての製作者 渡辺氏の元で
土人形の製作を学ばれた方々 五名で
富山土人形の存続と製作に励まれています

今回 お二人方にお会いでき
お話をお伺い する事が出来ました。
渡辺氏以外の製作者の 古い富山の人形の発掘もされ
その人形から型起こしをして 絵の具も 膠を使った泥絵の具を使い 
昔からの土人形の復活に努力されています
当時の型が全く無い状態との事で
残された土人形より型取りをするので 1割ほど小さな物になりますが
富山土人形の盛時を 彷彿とさせる人形が再現されています
 かつての渡辺さんの作られた人形の彩色は膠が多く 剥離がしやすいため
ちょっと古いものになるとひび割れがして ぽろぽろ剥がれたりします
けれどもその膠でしか出せない色もあるため その調合が非常に難しいとの事です
微妙なバランスをとりながら かつての土人形たちが
再び微笑んで 生まれてくれている気がします
渡辺さんの工房の床下より探し出された
蛇の目鈴の元型
型というより玉ということでしたが
この玉を 練った土で覆い
それを外し 鈴玉を入れ
昔ながらの蛇の目鈴を作られています
様々なサイズの蛇の目鈴も
一つ目 2つ目 三つ目があり
その紋様も
温かみとユーモアにあふれています
現代の新しい絵の具(ネオカラー)では絶対に出せない色は
自然と季節のくれた贈り物かもしれません
月日(年月)の経過により 自然と褪色するその色合いには 
ほのぼのとした温かみと 柔らかさに溢れています
手作りならではの好さがそこにあるのでしょう 
時代が進み 何もかもが昔のままというわけにはいかないと思いますが
古い土人形より学びながら 昔ならではの良さを残しつつ
現在の富山土人形の 製作に励んでみえます
心より応援したいと思います がんばってくださーい 
 『土雛窯』に 関しましては

    富山土人形 土雛窯

         にアクセツ お願い致します
2009/03/08 訪問


伝承会
  富山駅前の観光案内所で
渡辺さんの作業場場所を尋ねてみれば
渡辺さんは 2年ほど前に
亡くなられていた事がわかりました
 

『昭和60年5月8日に訪問し撮影した物です
母屋の裏にあった建物の奥に作業場があり
丁度、おひなさまのセットを製作されていました。
勤めの傍らに製作されていると聞いた記憶があります。
土人形と同じく素朴な人柄であったように憶えています。』
                   写真提供及び談(蚕鈴様)
とやま土人形伝承会が
民俗民芸村で
土人形作りをされているとお聞きし

その工房をお尋ねしました

 
   
日頃の勉強不足を痛感しつつ
まあそうだろうと思っていたなどと減らず口を叩きながら

内心は残念な気持ちでした
突然の訪問にもかかわらず 笑顔で迎えていただいて感謝しています
   
 旧藩の経済政策として産業保護に努力し
土人形もその一つとして奨励された例にのっとってか
各地の土人形が 後継者難で次々に廃絶していく中で
渡辺氏の後継者作りに市がバックアップして
伝承会という形で 伝統ある土人形作りが
引き継がれたのは
賞賛に値するものでは無いでしょうか
富山の良い伝統なのかもしれませんね
   
たとえご本人のご子息が後を継がれたとしても まったく同じものは出来ません
それぞれの個性が当然出てくるでしょうし
伝統的な土人形とはいえ その作品には時代というものが映し出されていきます
時とともに人形作りも変化し 現代的にもなっていくのでしょう
保存会とか伝承会という形だと何人もの方が
人形作りに携わるわけで 色々な問題もでてこようかと思いますが
そのこと自体の是非を論じるつもりはありません
土人形の廃絶を食い止める事が出来たという事実が 素晴らしい事だと思っています
その土地土地の 伝統文化に対する公の考え方が問われるものと思います
  
とやま土人形伝承会の 今後の発展を祈念しています
とやまの昔話しや逸話にまつわる土人形 土鈴などの創作にも期待しています
是までの渡辺さんに負けないほどの土人形たちを送り出してください
富山の「饅頭喰い」が見て見たいとお尻を叩いてきたのですが
決してセクハラではありませんので お許しのほど()
  
  現在製作されている土人形には
とやま土人形伝承会の方々 各個人の
しるしが入っている物もあります
人形を集める楽しみの一つにも
なるのではないでしょうか
2005/05/04 訪問




コレクション

富山の土人形には どこか土の匂いが残っています
その土地に根付いた 人々の祈り 思い 優しさが
ほんのりとと漂ってくるような 
温かみが感じられる人形たちです

(伝)・・・伝承会
(雛)・・・土雛窯
渡辺信秀氏の作品には 印がありません

天神

菅原道真を遠祖とする前田家が
藩主の関係で天神信仰が盛んで数多く作られている


(伝)
於保多(おおた)
神社の天神揃えの


天神揃え




狛犬



(伝)




(雛)
蛇の目鈴
山梨の虫切り鈴 福岡の英彦山ガラガラ と共に 日本三大土鈴
の一つと 云われる富山の蛇の目鈴

子供の虫きり 麻疹除けのまじない鈴



福徳人形
(伝)


渡辺翁の
福徳三種 
明治より昭和の初め頃まで
正月に菓子店の店頭で繭玉として飾られたり

福徳袋に入れて菓子のおまけ代わりに用いられた
駄菓子屋のあて物玩具のがらがら煎餅の中入れ種としても売られた
全部で 二十五種ある

(雛)
泥メンコ


(伝)


(雛)
替え物

この地方の神社では
替え物神事が多く行われており

神社それぞれに色・形のきまった
小型で可愛らしい替え物がある


殆どが一色に塗りつぶされ
各神社のトレード・カラーのようになっている

紹介のものの他に
 牛首神社の牛(黒色) がある

一時
替え物を行う 神社も
少なくなったそうですが
再び 行事を復活される
神社もあり
色にこだわらずに
年毎に 色合いを替えて
行われる
神社もあるそうです


伝承会 近藤様より
ご教示いただきました

(伝)

(雛)


越中稲荷神社の玉

(伝)

円の中に宝珠が
三つ模られているので
稲荷神社にかかわるもの
と推定されます

(雛)

(伝)

(雛)

恵比寿社の鯛

(伝)

(雛)

金刀比羅宮の鱒

(伝)

(雛)

現存する替え物の中で
鹿に関するものは
唯一のものなので
鹿嶋神社と思われる

(雛)

水霊社の珠(緑色)

(伝)

(雛)

於保多(おおた)
神社の鷽

(雛)

八幡神社の鳩(白色)


(雛)

(伝)

(雛)

纏のデザインという事で
あれば愛宕神社と
考えられるが断定は
出来ません

(伝)

(雛)

諏訪神社の亀

(雛)

(雛)

 観音堂の蓮(緑色)

(雛)

(雛)

(雛)
鯛乗り童子 

この鯛乗り童子は
一番最初に 手にした人形で
年月と共に 塗料が剥れてきましたが
表情が何とも柔らかく いとおしさはひとしおです

どっしりとした富山独特の達磨
表情が何とも楽しい

(伝)


便所の神様として祀られた
男女二体 セツトの物


《カンショバノカンサマ》

便所の桶を伏せ込む時に その桶の下に
ぼた餅と男女一対の着物を着た藁人形を埋めた
お産のとき この神様が一番最初にいらっしゃるのから
女は普段便所を汚くしたり
家の人も唾や痰を吐いてはならんという

このような謂れが残るのは
便所だけではなく軒先や厩(うまや) 
囲炉裏などにもあり
身近な所に神様がいるという
感謝と誡めからの思いからであろう


現代のような使い捨てや 
やりっぱなしといった風潮を
この厠神達は どのような思いで眺めているでしょう
自らの反省を込めて
トイレで眼を光らせていただく事にしました(笑)

(伝)

子守り 


鯛抱き童子

(伝)

恵比寿宝船
(雛)

大黒宝船
(雛)

宝珠持ち
(雛)

丑乗り天神土鈴



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