2007/5/6

近江だるま





近江八幡ギャラリー

かつて 近江八幡の勧修寺YHにお世話になっていた頃に
能登川の駅の近くで張子の達磨を作っている人がいるよと聞いて
伺ったことがありました
寺井さんといわれる方で 伺った時には 体調が悪いという事で
奥様が対応してくださいました
素朴な味わいのある可愛い起き上がりと言う感じの達磨さんでした
そのとき頂いたのは全て女だるまばかりで
男だるまは在庫が無いという事で手に入れることが出来ませんでした
長い間 ユースホステルに置いたままになっていたこの達磨たちも
最近 やっと整理しなおし 名前も近江八幡YHとなったユースに
滋賀県代表で小幡人形と共に鎮座しています

そんな折 ひょんなことから近江だるまの男達磨を目にしました
岐阜の白鳥の土鈴館に立ち寄った折
近江達磨の土鈴を発見
近江だるまが保存会の方の手によって復活していることを知りました

近江だるま保存会 谷村昭仁さんを訪ねて


中野和彦作
近江だるま土鈴

保存会の谷村昭仁氏に連絡を取らせていただき
毎週台風に曝される週が続いた後の
10月半ば久し振りの好天の週末
滋賀県神崎郡能登川町のふれあいフェアーへ出かけました
目的は 昔懐かしい近江だるま!
念願かなって男だるまとご対面となりました

谷村さんから近江だるまの製作者寺井清二さんのお話を伺い
何か熱くなるものを感じてしまいました

創作始めは郷土玩具としては比較的歴史が浅く
(それでも80有余年の歴史があります)
大正年間の創作といわれ
滋賀県神崎郡能登川町佐野の
寺井大門(善右衛門)によりはじめられ
2代目清二氏に引き継がれた
農家の副業として生まれたもので 
形は達磨というより起き上がりに近く
漫画風の表情の男だるまと 上品な笑顔の女だるまがあり
形も 丸い物やや細長い物 扁平な物と
大小種々あり 独特の特色があります

寺井清二さんの女だるま

(だるまをクリックすると大きな画面になります)

寺井さんは毎年 新しい年を迎える度に
国鉄(JR)能登川駅にこの近江達磨を飾られ続けたそうです
毎年毎年 行きかう人々を達磨は見守り続けたのでしょう
通勤 通学 雨の日も 晴れの日も 春夏秋冬
近江の人たちの生活を見守り続けた近江達磨が
寺井さんの亡くなられた事により廃絶してしまったのです

その近江だるまも 保存会の方たちの手によって
復活されました 

寺井さんの古い型から 復元されただるまの型
特大の型 彩色に使う
砥粉入りの顔料

その土地に根付いた郷土玩具が
 脈々と命を持ち続けるということは素晴らしい事です
これからも保存会の方々により末永くこの近江だるまが
琵琶湖を母とする地域の人たちを
見守り続ける事になってくれることを切に希望しています

保存会の方々により製作された だるまたち

(だるまをクリックすると大きな画面になります)


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