四国の
郷土玩具


伊予(愛媛県)

讃岐
阿波
土佐
伊予
十五万石の城下町の文化と 歴史ある道後温泉一帯の生活風土から
温かみのある郷土玩具が生まれている
若い時からあしげく通った 松山・伊予大洲・内子・五十崎・宇和島
そして 九州に向ってまっすぐに伸びる 佐田岬半島
郷土玩具を見ていると 温かな 人懐っこい風が吹いてきます


姫達磨 (張子)


両村巧さんの作です


小首を傾げた
表情がかわいい


我が家で一番
大きく 高さ33センチ


男達磨は
珍しいと思います






布刺繍の姫達磨

顔は童女の磨きだしで お下げ髪を植え込んである
胴は紅地に銀色で宝珠崩し模様が描かれており
神功皇后が 三韓遠征の金沢・道後の湯に立ち寄られて
伊佐爾波神石に戦勝を祈願 
その後応神帝を出産されたと言う伝説に基づき
この幼帝の産衣姿に模して 明治4年頃
初代の作者が農業の傍ら
桐の木を刻んで作ったのが始まりと言われている
2代目がこれを紙張子に作り変え 大衆化し
親しまれるようになり 「道後起き上がり」とも云われる
商売繁盛や 起き上がりという事で 病気見舞いや
お祝いに用いられている
自分の郷土玩具の収集の中でも思い入れの強い品であり
あどけないふくよかな表情の中に どこか神秘的で
毅然とした部分も垣間見えて 不思議と
常に自分の傍に置いていました
表情というものは見るものの心持によって
ずいぶん変わるでしょうが
作る側も同じで この姫達磨は 製作者の両村巧さんが
気分よく笑顔で描かれたのかもしれません
昭和51・2年頃の物です
起き上がり (張子)
張子の縁起物
5センチほどの起き上がりで 一文字達磨とも呼ばれる
頭に金紙が張ってあるので天金達磨とも言われる
古くから正月の神棚に飾る縁起物で
門付けがこれを家々に転がしこみ
「お福が舞い込んだ」と唱えて 報酬を受ける風習が大正の末まで見られた
姫達磨の原型になったといわれています
鎧人形 (紙・土)
「武者人形」「道後でこ」ともいい 首は土製で
鎧の直垂 袖などは木綿の端布を使い 金・銀・赤・青等の紙衣装をつけた人形
頭は 加藤清正 太閤秀吉など各種有り差し替えができるようになっている
ただ どの頭が誰か判らないのが難点で  
みんな同じに見えてしまうのは年のせいかもしれません
この首人形の由来は 松山藩主の嫡男が若くして亡くなり 
その武徳を忍び作られたといわれています
豊阪神社(松山市東雲神社の摂社)にこれを供えて祈願すると
子供が健康に育ち 病気も回復するといわれました
 
野田天神(土)

松山を中心に中予 東予地方では 
山陰地方と同じ様に雛節句に天神を飾る風習があり
男児には天神 女児には人形類が 親戚知人より贈られた
松山市郊外 吉井村で作られていたもので
袍は両袖が角型で 前にやや傾斜しており 朱色地に 胸の中央に三蓋松 
各所に5分で梅花と金泥の線で唐草模様がある 膝のところの市松模様は
中予地方の天神の特徴の一つです
端正で凛々しい顔立ち 豪華華麗な衣装で 立派な天神様です
両村さんも松山天神を作られていましたが 野田天神は乾燥した後焼き上げてあり
松山のものは練り物で焼かれていない どちらも首は差し込み式です

姉様(紙・土)
 折り紙が衣装といった感じの姉様で 顔は土製 素朴な姉様である
色焼けしてしまったのが残念ですが
質素で その控えめな表情に庶民の思いが伝わっているような気がします
牛鬼 (張子・木)


張子のブーヤレ





木製の牛鬼






宇和島地方の祭礼に出る山車の中に牛と鬼を合わせたような怪異なものがあり
竹組みの大きなヘチマを半分に切ったような胴体に 長い首をつけたもので
中に数十人の若者が入って神輿の先導をして練り歩く 
ヤレヤレの掛け声と竹法螺のブーブーなる音が交錯するのでブーヤレとも呼ばれる 
征韓の役で 加藤清正が闘牛を鬼神化し 
伊予水軍の先頭に牛鬼と称して使用し 敵を威嚇し奏功したのが始まりと言われている
八つ鹿踊り
市内宇和津神社の祭礼に奉納される無形文化財
一頭の牝鹿を中心に 七頭の雄鹿が戯れるようすを踊るもので
400年ほど前に藩祖 伊達秀宗が伝えたといわれており
東北の鹿踊りに通じるものが有る
玩具としてはこの踊りの時に冠る鹿面を模したものが有名である
まゆ人形
25年ほど前に 道後温泉の狸のれんで
見つけた蚕の繭で出来た 狸のお嫁さん
繊細な作りで お土産人形ではあるのですが
初々しさが良く表されていて
郷土玩具と一緒に並べています
伊予水軍
この船もおみやげ物ですが 土佐や紀伊の鯨舟と並べています
伊予水軍の中核をなす村上水軍は 
室町時代から戦国時代にかけて瀬戸内一帯を支配しました。
すべての経済力を合わせると50万石に匹敵するものだったといわれ
動乱の歴史に様々な影響を与え 
縦横無尽に海を駆け抜け海を知りつくした男たちの
ロマンを感じる置き土産かもしれません 
子育て鳩
松山の伊佐爾波神社の鳩が
母神功皇后の留守中に幼い応神帝を守って育てたという故事にちなんで
土で鳩を作り 道後温泉の土産として売られた
子供の虫除けのまじないとされる
坊ちゃん人形


坊ちゃん列車
夏目漱石の 『坊ちゃん』の 登場人物をモデルに
ユーモラスな 張子製のもの
他に 戸部焼で作られた 小さな人形もある
郷土凧
松山・宇和島・五十崎などに郷土凧が有る
2006/07/02