四国の
郷土玩具

讃岐(香川県)


讃岐
阿波
土佐
伊予
香川県は 妻の故里で
高松城内で産湯を使ったと 自慢げに 話す横で
馬耳東風 郷土玩具と戯れる
高松は四国の玄関口ということもあり
宇高連絡船で渡り 度々 愛媛を訪ねたものだと言うと
妻は 蒸気機関車で行った事があるという
そんな昔のことは私には解からない(爆)
今では 車や電車で直接 四国へ行き来でき
四国の風情も 寂れていくのかと少し寂しく思う


高松の張子玩具など





猩々


道行


ハスキーと子犬
江戸時代 寛永19年(1642)常陸国下館から松平頼重がこの地に移封された際
家臣によって張子細工の製法が伝えられたといわれている
高松は 瀬戸内海有数の城下町で物資の集散地でも有り
京 大阪の文化と舟運により直結していた土地柄なので
張子の歴史も古くその作風に都の雅な味がかもし出されているが

この地方独特の郷土色も色濃く見られる
土地の習俗 口碑などから取材されたものなど めでたい縁起物が数多くあり
鯛抱き 春駒持ち 子守り 天神 牛乗り 鯛など いずれも形 色彩ともに個性的なものである
他に 『つまみ人形』と言われる指先ほどの土人形や普通の土人形などもある
代表的な製作者に 宮内フサさんがみえました
嫁入り人形


つまみ人形


張子の嫁入り人形


ほうこうさん


寝牛


巾着持ち



鯛恵比寿



狆鯛



土人形(大崎製)
焼いてありません
この地方では嫁入りの時 嫁ぎ先の近所の子供達への手土産として
小さな粘土を固めただけの土人形を嫁入り道具にくわえて持参する風習があった
鯛戎 福助 天神 大黒 狆 狆鯛 臥牛 牛乗り天神 鯛抱き 春駒など
沢山の種類があり近隣の子供達に与えられた
その折地面に落ちて割れたりしても返って めでたいと 又人形を子供達に与えたといわれる
作品に狆鯛が多くみられるのも 犬の多産にちなんだ縁起によるものである

黄金姫は コガネ姫 コガレ姫とも呼ばれ
高松旧藩時代の節分に
豆と共に 金マラ銀マラを投げる風習があり
同時に 黄金姫と呼ばれる土偶をひそかに記念した
処女は 嫁ずきが早いといわれたそうです


時代とともに土のものが磁器そしてセルロイドと
近代化するにしたがってこういった風習も廃れていき次第になくなっていった

大崎豊五郎氏が本来の技法である 
泥と大鋸屑を半々に混ぜ合わせ 天日で乾燥させて 胡粉をかけ彩色され
古来の高松土人形を復元されました 
焼いてない為普通の土人形に比べると ずっしりとした重みを感じます 
昭和50年ごろのものなので 彩色の一部にひび割れができています 
作者である大崎さんは残念にも2008年7月 亡くなられました 
ほうこうさん


お殿様のお姫様に仕えている おくに(マキ)という 醜いが優れて賢い子供がいた
あるとき お姫様が熱病にかかりどうしても治らないので
おくににお姫様の熱病をうつしうけて 身代わりとなり島に流され死んでいった
時の人々は奉公さんといって彼女を賞賛し その後人形に作られるようになり
熱病の子供に この人形を抱かせて病気を転嫁し
海に流して全快を祈るという風習が生まれたといわれる
赤い意匠の童女の姿をしていて 宝珠模様が描かれている
運動人形


ラッパ吹き兵隊

   
へらへら踊り
げんこつ飴売りの姿で
笠を被り
提灯をぶら下げ、
片方の手には
飴を入れた籠を
下げている
げんこつ飴売り
と言う人形もあります

持っていません(泣)
やじろべえの一種で.土人形に二本の針金の足をつけてアーチ形の台の上に乗せ
人形からアーチの中に湾曲して続いている針金の先端の土製の錘を動かすと
上の人形が左右に動く
明治の.初期ころ はやったへらへら踊りや 中期ころのラッパ吹きの兵隊などがあり
明治の風俗を上手く映したものである
へらへらしている自分にはお似合い・・・・かも
讃岐の獅子頭
本格的に祭礼に使う獅子頭のミニチュア
この獅子頭は木型に何枚も和紙を張り合わせ
その上を砥の粉を膠でといで素地に塗り そして漆を二度三度とかけ
黒や朱で彩色して仕上げてある
小さいながらも本物の味わいがある
金毘羅でこ


金毘羅船土鈴
目が変わる首人形
首の後ろの樹皮を引くと目玉が動いて変わる仕掛けになっている
金紙とクロの鳥帽子をかぶった 赤・白2種の首人形で 目玉の返るところから
地元では目かやりとも呼ばれる
江戸時代 金毘羅宮の社人松太夫・権太夫が主筋の金光院を相手取って
神楽銭にからむ紛争を起したが 敗訴して斬首の刑を受けた
その獄門の首を写したものといわれ 人形浄瑠璃の流れを汲むものである
讃岐のチョウサ
この地方の秋祭りに登場する太鼓台(布団太鼓)は「チョウサ」といわれ
木 紙 布で作られた祭礼玩具
語源は江戸時代高松藩の庇護を受けていた中国の儒者 張子公が
領内の道路修理策として 中国風の太鼓台を作り 祭礼に用いて
道路の踏み固めに成功したのが始まりと言われ
交通も便利になったという感謝の気持ちから
この太鼓台を「張さん.」と呼んだのが チョウサに転化したもの
滝宮天満宮の念仏踊り
大阪の住吉踊りを真似て 滝宮天満宮の念仏踊りを模した郷土玩具
直径20センチ位の麦わら編み笠に麦わら人形が九体下げられている。
滝宮天満宮の鷽
滝宮天満宮の鷽かえ神事で授与される木鷽
菅原道真が讃岐の国司として着任した四月にちなんで
四月二十四日に「鷽替えの神事」が執り行なわれている

神社での手作りで 奉仕の方のために大きなものも作られており
特別に譲って頂きました
八栗の達磨
八栗五剣山の中腹にある八栗寺にちなむ起き上がり
四国で唯一の目なし達磨
郷土凧(いか)
香川県では凧のことをイカという。造形的に優れたものが多い
猩々凧 セミ凧 八角凧 見信だるま凧 ごんぼ凧 むかで凧 ほか種々ある
張子の虎   
西讃地方は張子の虎が多く作られており 
首振虎 夫婦虎 親子虎 すぐみ虎 にらみ虎などの種類がある
讃岐のはな籠 
かつて琴平宮の参道で売られていたもので 
西讃地方ではこれに米菓子を入れて花嫁が子供に配った
金毘羅の一刀彫  
金毘羅さんの参道で土産に売られているもので 琴平本宮の造営の折
宮大工が廃材を利用し達磨などを彫り参詣人に与えたのが始まりと言われる
2006/07/02