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小さく、美しく、穢れのない野田さんの人形たち。。
野田さんの作品は、理屈ではないですね。
一目見て、その虜になってしまうかどうかの問題です。
信じられないことですが、
1977年に「日本の土鈴」(徳間書店)で大きく紹介されるまでは、
郷土玩具界でもほとんど注目されていなかったというのですから、
驚きます。
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そういう僕も、野田さんがご存命の頃から
郷土玩具を集めてはいましたが、
その作品には、全く出会うチャンスがありませんでした。
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最初に手にしたのは小さな鯛の土鈴です。
僕は、食べ物としてもも鯛が大好物で、
鯛のおもちゃが蒐集のメインの一つでもあります。
おもちゃらしい味わいに満ちた野田さんの鯛には
、一目見て惚れ込みました。 |
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今思えば、赤一色の簡素な鯛であれだけ感動したのですから、
その後に出会った、
饅頭食いや三番叟や舞妓などを手にして、
天にも上るような感動を覚えたのは、
我ながら無理もないことです。 |
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以来、雨の日も風の日も、野田さんの人形を探しました。
すでにご高齢であった
ご本人からの入手は不可能になってからの事です。
野田さんを尋ねて三千里、
野田さんの人形があると聞けば、
京都へも東京へも飛んでいきました。 |
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最初の出会いから20年になると思います。
もっとも、現在でもそれほど豪語するような蒐集とは言えませんが、
可愛い子供たちや動物など、
それなりに身の回りに集まって来てくれました。 |
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生きている限り、
日々悲しい事、つらい出来事も沢山ありますが、
何とか大丈夫です。
野田さんの人形たちが、
いつも変わりなく穢れない瞳で微笑んでくれます。
諭すことも、励ますこともなく、
ただ静かに無垢な微笑で
、一番大切な事をそっと教えてくれるのです。 |
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